Ongoing School 生活と芸術
子どもたちがこれからの社会を生きるために必要なすべ=芸術を学べる学校、はじまります。
子どもたちがこれからの社会を生きるために必要なものとはなんでしょうか。
英語?一般教養?それともコミュニケーション能力?
どれもとても重要なものだとは思いますが、それらに先立って必要なものとは"想像力"であると考えます。
何が問題かを理解するために
先に起きることを見据えるために
環境や状況に振り回されないために
そして他者を思いやるために
子どもたちが生きていくこれからの社会は、私たち大人が生きてきたこれまでの社会よりも、いっそう複雑さを増し、解決し難い困難な状況も増えていくことでしょう。その時に必要となってくるものは想像力であり、逆に言えば、それさえあれば多くの場面を乗り越えていけるはずです。その想像力を育てることができるもの、それこそが芸術であると私たちOngoing Schoolは考えます。 Ongoing Schoolで教える講師たちは全て、現代美術の世界の第一線で現役で活躍するアーティストたちです。今回は「映像体験コース」「体を使い人に見せるコース」「手を動かすコース」「社会について考えるコース」の4つのコースを用意しました。そのどれもが今までの学校では教わることのできない、子どもたちの新しい可能性=想像力を育むカリキュラムになっています。 芸術を通し、子どもたちがこれからの社会を生きるために必要なすべを学べる学校、Ongoing Schoolにぜひご期待ください。
総合プロデューサー 小川 希
何が問題かを理解するために
先に起きることを見据えるために
環境や状況に振り回されないために
そして他者を思いやるために
子どもたちが生きていくこれからの社会は、私たち大人が生きてきたこれまでの社会よりも、いっそう複雑さを増し、解決し難い困難な状況も増えていくことでしょう。その時に必要となってくるものは想像力であり、逆に言えば、それさえあれば多くの場面を乗り越えていけるはずです。その想像力を育てることができるもの、それこそが芸術であると私たちOngoing Schoolは考えます。 Ongoing Schoolで教える講師たちは全て、現代美術の世界の第一線で現役で活躍するアーティストたちです。今回は「映像体験コース」「体を使い人に見せるコース」「手を動かすコース」「社会について考えるコース」の4つのコースを用意しました。そのどれもが今までの学校では教わることのできない、子どもたちの新しい可能性=想像力を育むカリキュラムになっています。 芸術を通し、子どもたちがこれからの社会を生きるために必要なすべを学べる学校、Ongoing Schoolにぜひご期待ください。
総合プロデューサー 小川 希
- 1976年東京生まれ。武蔵野美術大学卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。2002年から2006年に亘り、大規模な公募展覧会 『Ongoing』を、年一回のペースで企画、開催。その独自の公募システムにより形成したアーティストネットワークを基盤に、2008年に吉祥寺に芸術複合施設Art Center Ongoingを設立。現在、同施設代表。また、JR中央線高円寺駅~国分寺駅区間をメインとしたアートプロジェクト『TERATOTERA(テラトテラ)』のチーフディレクターも務める。武蔵野美術大学非常勤講師(2011~)、武蔵野市文化振興基本方針策定委員会(2017〜2018)他。
実施概要
- 企画名
- Ongoing School 生活と芸術
- 実施日程
- 2019年3月29日(金)〜4月5日(金)
- 会場
- Art Center Ongoing
(東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7)
- 対象
- 10~15歳 ※社会について考えるコースのみ12〜15歳
- 講師
- Ongoing Collective メンバー(アーティスト12名)
- 定員
- 各コース10名程度 ※定員になり次第締め切ります。
- 受講料
- 映像体験コース 8000円
社会について考えるコース 3000円
体を使い人に見せるコース 6000円
手を動かすチーム 6000円
映像体験コース
- 日程
- 2019年3月29日(金)・30日(土)
- 対象年齢
- 10〜15歳
- 内容
- 現代の生活で、ふれない日はないほど身近になった映像という表現を1から作り上げるコースです。
あらすじ想定例としては:小鳥のさえずり>家族で朝食中の穏やかなリビング>何気ない会話>子どもが急に秘密を告白>ペットが振り向く>親が怒り出す>祖父母は散歩へ>気がつくとテーブルの向こうに妖精が座っている>妖精との対話が始まる>果たして結末はいかに?
★3月29日(金)
10:00-12:00 ガイダンス、秘密を書く、お面アイデア出し
13:00-15:00 お面をつくる、お面劇リハーサル、あらすじ作り
★3月30日(土)
10:00-12:00 撮影準備、撮影(講師も適宜出演)
13:00-15:00 荒編集、追加撮影、本編集、(仕上げは講師が担当)
★3月31日(日)
15:30 映像体験コース上映会(30分~45分)、ふりかえり
- 目的
- 誰しも心の中に抱えている秘密が1つや2つはある。子どもが秘密を家族に向けて告白する場面を、「お面」をつけて演じることで映像化します。告白の過程をイメージに昇華させるという映像表現の旨味を体験・共有することを目的としています。
- 効果
- 普段はできない事も映像の中では実現できる。自ら考え、演じ、制作した映像を鑑賞することで、つくり手の立場にたってみる。映像の捉え方が拡がり、自分と家族との関わり方を知り、悩み、動き出せたら、それは豊かで幸せなことだと考えています。加えて、講師の指導の元に自身のお面を造形する作業を通じて、イメージを具現化する力を育みます。
- 持ち物
- 筆記用具、ノート、お弁当
- 受講料
- 8,000円
- 講師
- 帝京平成大学メディア文化コース教員。武蔵野美術大学造形学部映像学科卒。東京を拠点に、風景に関わる人の記憶の在り方を探りながら主に短編映像・映像インスタレーション・写真を制作・発表・研究。「穴とゆめ」(Art Center Ongoing 2017)、「写真新世紀 東京展 2015」(ヒルサイドフォーラム 2015)、「六本木アートナイト 2013」(六本木 2013)水産経済新聞社 他 http://sagiyama.com
鷺山啓輔
- 八戸工業大学感性デザイン学部講師。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。身の周りの多様な素材を組み合わせたユーモアのあるインスタレーションや、ワークショップなどを手がける。近年の活動は「KIITOアーティスト・イン・レジデンス2016」(KIITO|デザイン・クリエイティブセンター神戸 2016年)での「てんぐバックスカフェ in 神戸」や、個展「ガーデニング」(salon cojica 2017年)、個展「死なないM浦Y一郎」(Art Center Ongoing 2013年)など。
東方悠平
- 1964年東京生まれ、高知在住。東京大学工学部建築学科卒業。在学中から現在までに160本の映画作品を制作。高知県立美術館製作による『HEAVEN - 6-BOX 』がベルリン国際映画祭NETPAC 賞受賞。美術館やギャラリーなどでも映像インスタレーション/パフォーマンスなど多数発表。
大木裕之
- 1977年東京都生まれ。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ卒業。自身が置かれている身の回りの生活環境や、展示場所に関係する人物や文化、風土・風景などに反応しながら、サイトスペシフィックな彫刻やインスタレーション、映像作品を制作している。主な展覧会に「Asian Art Award 2018」(寺田倉庫 2018)、「奥能登国際芸術祭2017」(奥能登口伝資料館 2017)、「国立奥多摩映画館」(国立奥多摩美術館 2016)、「ヨコハマトリエンナーレ2014」(横浜美術館 2014)などがある。
和田昌宏
社会について考えるコース
- 日程
- 2019年3月31日(日)
- 対象年齢
- 12〜15歳
- 内容
- 子どもたちが社会に適応していくために身につけていく、知識、道徳、方法、関係性や空気の読み方。
これらの学習はしばしば自由な意思を育てるよりもむしろ、すでにある社会の形に各々の性質をあてはめ、適応させることに主眼が置かれます。
そうしたしばりを解き、日頃の常識にとらわれず、普段は動かない方向に柔軟に心身を動かしてみる。
ただし、そうした自由な意思表示を恐れる気持ちは意外にも早い段階で子どもに身についていきがちですが、今回の授業では硬くなり始めた心を解きほぐし、
身体と頭を動かしながら自由について考える時間を作りたいと思います。
義務教育やそれ以前から、子どもたちは緩やかなすでに定められたルールの管理の元で教育を受けます。 これは決して悪意ではなく教育の一つの方法論ですが、そこで染み着く精神は後に彼らを苦しめます。 そこで今回の授業はすでに定められたルールの管理から抜け出るためのゲームから始めます。ゲームの後、子どもたちにはあるものを渡します。 それは本当にありふれたもので、ほとんどの人が気にも留めないものです。それをよくよく観察し、名前をつけたり、皆に説明したりする。 気にも留めなかったものを自分の力で特別なものにする体験をしてもらいます。 そして子どもたちが思うカッコいいもの、可愛いもの、当たり前のこと、恥ずかしいこと。 そうした子どもたちの日頃の判断基準、行動原理を解体し、日頃の常識の外にあるテーマを持ち込み、作品化(可能性として、形に残らない形式ものも含みます)します。 最後に子どもの様子を見ながら、お話をします。
- 目的
- 子どもたちに自由意志を育む。 常識の成り立ちと必要性を確認した上で、そこから抜け出て考える時間を体験してもらうことを目的としています。
- 効果
- この授業の短い時間で子どもが大きく変わることはありません。しかし子どもによっては、既成の社会の事情に付き従うのではなく、自分の奥にある望みにしたがって生きていく足がかりとして人生最初のレクチャーとなるはずです。またそれぞれの道の先で内的外的な要因により絶望したり、心が疲れて先が見えなくなったりした時に、状況に呑まれず、より広い視点を持ちその場から回避する力を養います。
- 持ち物
- なし
- 受講料
- 3,000円
- 講師
- 1986年埼玉県生まれ。同県在住の美術家。接触や運動の新たなバリエーションを提案しながら、人類史上淘汰・忘却された事象を意識した「生」への思想的アプローチを作品化している。代表作には、自身が一枚布の雑巾となり世界各地の街を拭き上げながら全身で都市を知覚し、その身に蓄積させていく「雑巾男」や、他者の重さを真下から両足で踏み締める装置「誰かの重さを踏みしめる」などがある。週に一度、小学生、中高生、一般をそれぞれ対象とした造形教室の講師として活動。
二藤建人
体を使い人に見せるコース
- 日程
- 2019年4月2日(火)・3日(水)
- 対象年齢
- 10〜15歳
- 内容
- 例えば、お母さんに急に何かを頼まれて困ったことはありませんか?学校のテストで、習った憶えのない全然わからない問題に出くわしたことはないですか?友達の嫌なところを直してほしいと思ったことはありませんか?知らない人に道を聞かれたりしませんか?そういったいろいろな困ったことに、自分の体を使って答えをさがしてみましょう。
答えを探しに出かけたら、今度はその様子をスクリーンに映して自分の姿をみてみましょう。 どのように感じるのでしょう?ふざけているように見えるでしょうか?困っているように?それとも何もしていないように見えるでしょうか?もしかしたら、踊っているように見えるかもしれません。 表現することは、恥ずかしかったり、気持ちよかったり、自分でもびっくりしたりといつもぐちゃぐちゃで、ひとことで言える感情ではないように思います。 映像の中にいる自分との付き合い方をみんなで体感してみましょう。
- 目的
- 身体を使うことは、何かを表そうとするまでもなく直接的に表現行為と結びついています。 子ども自身が体を使うパフォーマンスの実践とその映像記録を通して、自分自身の体を使った表現についての感性を、自身の身体を扱う表現者である美術作家とともに「ちょっとおかしな」かたちで体感し学ぶことを目的としています。
- 効果
- 体を使って何かを人に見せる/伝えることは、恥ずかしかったり、気持ち良かったりします。その様子をビデオなどで撮る、撮られることで、もっと恥ずかしかったり、気持ち良かったりします。 そのような取り組みを通して、何か思いを表すこと/発信する事への感性が豊かになっていければと思います。
- 持ち物
- 可能であればスマートフォン
- 受講料
- 6,000円
- 講師
- 1992年神奈川県生まれ。2015年武蔵野美術大学造形学部油絵学科油画専攻卒業。ひとやできごとの関わり合いのかたちを、身体や言葉を使って造形=思考する、観客参加型のパフォーマンス作品を多く制作。whttp://urayaka.jimdo.com
うらあやか
- 1989年埼玉県生まれ。東京造形大学大学院美術研究領域修了。2015年より東京造形大学CSLAB管理人として企画運営に携わる。2016年よりオンゴーイングコレクティブ所属。パフォーマンス/映像/彫刻などを用いた作品を発表している。 http://yuyakoyama.tumblr.com/
小山友也
- 1999年武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒業。非生産的生産活動という名目のもと、日常の取るに足らないものごとや思いつきに対してのレスポンスを制作の起点として、インスタレーション、ビデオ、Web、パフォーマンスなど、メディアを問わず展開する。http://www.workth.net
東野哲史
手を動かすコース
- 日程
- 2019年4月4日(木)・5日(金)
- 対象年齢
- 10〜15歳
- 内容
- 手を動かすことをテーマに、作品を作るコースです。
手を動かすきっかけとなる課題を、美術家として活動する講師が用意しています。
最近泣いたこと、ムカついたことなど、主にネガティブな感情になった出来事を小作文にし、それをもとに水彩絵の具と画用紙を使い、絵を描く(ドローイングでカタルシス)。
雑誌から切り抜いた形に色を塗り、ラミネートする。それを素材としてコラージュ作品をグループで共作する(誰でもマティス?!)。
ボールペンや洗剤の容器などの日用品を使って彫刻/立体作品をそれぞれ作る(日用品彫刻を作ろう)。授業の締めくくりに、制作した作品を発表する講評会を行います。
★4月4日(木)
10:00-12:00 ドローイングでカタルシス
13:00-15:00 誰でもマティス?!
★4月5日(金)
10:00-12:00 日用品彫刻を作ろう
13:00-14:00 発表会
- 目的
- 学校教育では点数をつけ易い科目が重視されがちですが、優劣がつけづらい多様な価値を経験する必要があると私たちは考えています。美術作品を作る上で最も身近な方法である「手を動かす」ことを目的としています。
- 効果
- 自身で手を動かし考えて作ることや、それを見ることを身近に感じてもらい、美術をきっかけとして多様な価値に触れていくことで、隣の人との差異に気がつき認められるような柔軟さを育んでもらえたらと思います。
- 持ち物
- ハサミ、加工したいプラ製品(洗剤の容器、PP、PEなど)、お弁当
- 受講料
- 6,000円
- 講師
- 2008年多摩美術大学彫刻学科卒業。日用品を素材に彫刻作品を制作している。http://www.isajiyugo.com/
伊佐治雄悟
- 2009年多摩美術大学絵画学科卒業。日常生活をもとに絵を描いている。https://kyokoidetsuhp.jimdo.com
出津京子
- 1997年ベルギー王立アントワープ美術アカデミー修了。画家。近年はグループ展の企画等も行なっている。https://www.facebook.com/itaru.ogawa.3
小川 格
未来の子どもたちのために
アーティストたちが未来に責任を持ちながら考えたそれぞれのプログラムは、学校の図画工作の時間とも、美術館での作品鑑賞とも違った生のアートが立ち上がる瞬間に触れる体験を子どもたちに提供する。
勿論、今回のプログラムが完成形ではない。そもそも教育に完成形などはない。
アートを通して子どもたちを社会に迎え入れるとはどういうことなのか? Ongoing Schoolという新しい学校は、終わらない試行錯誤を引き受けつつ始まる。
プログラムディレクター 山本高之
プログラムディレクター 山本高之
- 1974年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院修了後渡英、チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインMA修了。 小学校教諭としての経験から「教育」を中心テーマのひとつとし、子どものワークショップをベースに会話や遊びに潜む創造的な感性を通じて、 普段は意識されることのない制度や慣習などの特殊性や、個人と社会の関係性を描く。近年は地域コミュニティと恊働して実施するプロジェクトに多く取り組んでいる。 テート・ギャラリーの教育普及プログラムのリサーチでロンドンに1年間滞在(2017)
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